適切な論文投稿先を探すには : ハゲタカジャーナルに投稿しないために

 膨大に存在する学術雑誌のなかから、どこに投稿するか迷われたことはありませんか。昨今は、APC(Article processing charges:論文掲載料)を目当てとするハゲタカジャーナルと呼ばれるようなものも存在し、投稿先の選択には注意が必要です。
 このページでは、適切な投稿先を選択するための一助となるツールを紹介します。これらのツールを利用することで、ハゲタカジャーナルを選んでしまうリスクを減らし、内容に合った雑誌を探しやすくなります。

※このページは、研究推進課と連携して作成しました。あくまでも参考情報であり、最終的な投稿先については著者自身でご判断くださいますようお願いいたします。

ハゲタカジャーナル(predatory journal)とは

 APCを搾取することを目的とする悪質な雑誌のことです。粗悪学術誌、捕食ジャーナル等と呼ばれることもあります。近年では、既存の学術雑誌になりすましたHijacked Journal (Cloned Journal)と呼ばれるものも存在します。Googleなどの検索で本物よりも上位に表示されることもあるので注意が必要です。

ハゲタカジャーナルに投稿するリスク

ハゲタカジャーナルに投稿すると、以下のようなリスクが考えられます。

  • 自身の評価を下げ、研究活動への支障が出る
  • 不当な掲載料や論文取り下げ料の請求を受ける
  • 論文が取り下げられるまで、他誌への投稿ができなくなる

ハゲタカジャーナルかを判断するには

 以下で紹介する出版社等が提供しているツールからジャーナルにアクセスしたり、ご自身で判断指標をもとに確認したりするといったことが対策になります。
 また、投稿を呼びかけるようなメールを受信した際は、発信元をきちんとチェックし、そのまま投稿することのないようご注意ください。

第三者機関・出版社等が提供しているツール

  • Web of Science Manuscript Matcher
    タイトルとアブストラクトを入力することで、Web of Science収録紙から、候補となるものを表示します。Web of Scienceのアカウントが必要です(無料)。
  • JournalGuide
    ResearchSquareが提供する、生命科学分野を中心にしたツールです。タイトルやアブストラクトから、関連性の高い論文を出版しているジャーナルを提案します。Source Normalized Impact per Paper (SNIP)というジャーナルの評価指標や出版までのスピードも確認できます。また、複数ジャーナルの比較も容易です。
  • My journal Selector(Edanz)
    英文校正・翻訳を行うEdanzが提供するサービスです。アブストラクトからジャーナルの情報を提案します。ジャーナル名、出版社、Impact Factorの5段階高低が表示されます。Edanz社はその他にも、ジャーナル選択のためのインフォグラフィックスなども提供しています。Edanzの社アカウント作成が必要です。
  • Elsevier Jouranl Finder
    アブストラクトと関連性の高いものを、Elsevier社のジャーナルから提案します。採択率、Impact Factor、最初の審査に要する期間等の情報も確認できます。

判断指標のリスト(Think. Check. Submit.)

Think. Check. Submit.というサイトでは、いくつかの判断指標が示されています。投稿先の信頼性を判断する一助としてご活用ください。以下のような指標が掲載されています。

  • あなたや同僚は、そのジャーナルを知っていましたか。
  • そのジャーナルに投稿された論文を読んだことはありますか?
  • その雑誌の論文は、学術論文データベースできちんとインデックスされていますか?
  • そのサイトには、APCの金額や請求のタイミング等が明示されていますか?
  • 編集委員について、聞いたことがありますか。
  • 編集委員は、そのジャーナルについて自身のウェブサイトに掲載していますか。
  • 出版社とは電話やメール、手紙で連絡が取れますか?
  • そのジャーナルは、どのような査読を行うか、明確になっていますか?

問合せ

 このページの掲載内容についてご質問等がありましたら、以下問合せ先までご連絡ください。
 附属図書館 情報管理課 情報支援係
 E-mail:tkjosi@acs.u-ryukyu.ac.jp