基礎看護学教室

 

A. 研究課題の概要

 

1. 看護教育に関する研究 (上里タツ, 垣花シゲ, 大湾知子, 植村恵美子, 東風平智江美)

科学的な看護実践を追求する看護教育の展開方法 (教授法) について研究しており, 現在, 次の研究を行っている。

1) 看護過程 (看護診断) と看護理論 (適応理論) を用いた事例研究の指導

本研究の目的は, 看護過程 (看護診断) と看護理論 (適応理論) を用いた事例研究によって, 学生が患者 (対象) を深く包括的に捉え, 看護を実践する能力を高められるようにすることである。看護過程 (看護診断) と看護理論 (適応理論) を用いた事例研究は非常に有効であり, 今後も継続研究を行う。

 

2) 看護の倫理に関する教育方法の研究

今世紀の生命科学の進歩はめざましく, 体外受精や臓器移埴等など, 人間が人間の生命を操作できるようになった。一方, 医療技術の進歩は安楽死や延命などの問題をもたらした。こうした複雑な状況におかれたときの判断の枠組みになるものは, 看護の倫理, すなわち, 人間の生命の尊重, 人間としての尊厳および権利の尊重である。そこで, 生命倫理や看護の倫理について学生が主体的に学び, 深く考えることができるように「脳死」をテーマにしたデイベート形式学習を授業にとりいれ, その効果を評価した。

 

2. 看護管理に関する研究 (上里タツ, 垣花シゲ, 大湾知子, 植村恵美子)

1) 感染看護に関する研究

感染看護に関して, 電子メールで米国のICN (Infection Control Nurse) との通信を行い, 国際性豊かなカリキュラムの検討を行っている。米国におけるICNの業務研修の成果を日本環境感染学会で報告した。看護の知識体系と実践体系を統合し臨床指向の実践的院内感染対策における研究を行った。入院中の感染患者数の減少, 病院内使用物品の有効性, 病院経済の把握, 専門職による質の高い感染看護の提供, 新時代の実践的感染看護の専門看護師を育成する。ICNの専門看護師の育成の教育と研究を進めシステムの開発をめざし, 個性, 自主性を伸長することを重視した教育・研究を行っている。

 

2) 尿失禁看護に関する研究

コンチネンスアドバイザーとは, 排便・排尿のコントロールを習得するプロセスにかかわって, クライエントの日常生活に合った具体的な指導ができる能力 (知識・技術・態度) を有する専門家である。その育成のために, 関連施設の協力を得ながら尿失禁に関する公開講座, 勉強会, 研修会, 研究会を行っている。

 

3. 家庭内看護の実態に関する研究 (上里タツ, 垣花シゲ, 植村恵美子, 東風平智江美)

 家庭内看護とは, 家庭において安全性と安心感をえられるための養育, 保護, 援護, 支援という人間的自立へのケアである。その対象は, 小児期, 成人期, 老人期がある。

 今回は在宅で生活している健康な老人を対象に, セルフケアを行なっている老人の食生活を視点にした調査研究を行った。その結果, 農村漁村, 都市地区の在宅老人は香川式 4群点数表の2群の摂取が指標よりも高く, 特徴として魚の使用頻度が多かった。老夫婦, 独居世帯では沖縄風料理が摂られ, 同居世帯では洋風料理が多く食生活の変化の傾向があった。高齢になるほど間食が多く, 特に80歳以上においては 4群の菓子からの摂取が多かった。無病不健康群 (病気は無いが健康と感じていない者) は, 「食事の配慮をしている」と回答した者が多く, 他の健康群よりも栄養バランスのよい食事摂取をしていた。

 

 

B. 研究業績

 

1. 原著

G97001: Iwanaga M, Sisavath L, Higa N, Honma Y, Kakinohana S (1997) Emergence of methicillin resistant Staphylococcus aureus in Laos. Jpn J Trop Med Hyg 25 103-106.

 

3. 著書

T97001: 山口幸子, 植村恵美子, 有銘やす子, 垣花シゲ, 大湾知子, 東風平智江美, 上里タツ (1997) 基礎看護技術演習ノート 第3版. 基礎看護学教室 1-104.

 

4. 報告

H97001: 大湾知子 (1997) 平成8年度海外研修報告 米国におけるInfection Control Nurse (ICN) の業務研修. 環境感染 12 30.

 

H97002: 上原勝子, 大湾知子, 津波浩子, 新垣ナエ, 上運天弘子, 健山正男, 草野展周, 斎藤厚, 平山清武, 他3名 (1997) MRSAを含む院内感染総合対策の実践に関する研究 MRSA院内感染対策のインフォームド. コンセント在り方に関する研究. 平成8年度厚生科学研究 (院内感染総合対策研究事業) 報告書 17-26.

 

M97003: 安仁屋洋子, 垣花シゲ, 植村恵美子, 東風平智江美 (1997) 看護における薬理学教育のあり方. 教育報告書 1-23.

 

5. その他

M97001: 前田明子, 早田敦子, 坂元友紀 , 上里タツ, 垣花シゲ, 植村恵美子, 東風平智江美 (1997) 沖縄県の辺土名地区における在宅健康老人の食生活実態調査. 平成8年度卒業研究論文集No.24 197-200.

 

M97002: 早田敦子, 坂元友紀, 前田明子, 上里タツ, 垣花シゲ, 植村恵美子, 東風平智江美 (1997) 沖縄県の石嶺地区における在宅健康老人の食生活実態調査. 平成8年度卒業研究論文集No.24 201-204.

 

M97003: 坂元友紀, 前田明子, 早田敦子, 上里タツ, 垣花シゲ, 植村恵美子, 東風平智江美 (1997) 沖縄県の石嶺地区における在宅健康老人の食生活実態調査. 平成8年度卒業研究論文集No.24 205-208.

 

M97004: 長嶺由樹子, 金城和美, 安次富景子, 田本ひろえ, 川満和子, 大湾知子, 健山正男, 草野展周, 斎藤厚, 他5名 (1997) MRSA感染対策の教育効果の検討. 環境感染 12 36.

 

M97005: 東風平智江美, 植村恵美子, 垣花シゲ (1997) 看護過程(看護診断)と看護理論(適応理論)を用いた事例研究の指導を試みて -第1報-. 第8回日本看護学教育学会 181.   

 

M97006: 澤岻昌子, 高良武博, 新田美佐子, 国頭京子, 池原みどり, 田原盛子(1997) 多飲行動と自閉のある 患者の看護 -自閉の改善に向けての第一歩-. 沖縄精神科看護学会誌, 31-33.     

 

M97007: 大湾知子 (1997) 尿失禁ケアーへの取り組み -介護用品-. 第3回尿失禁研修会 沖縄県看護協会.

 

M97008: 大湾知子 (1997) 尿失禁ケアーへの取り組み. 平成9年度琉球大学公開講座 『更年期の泌尿器科』プログラム集 10-12.

 

M97009: 大湾知子 (1997) 米国におけるInfection Control Nurse (ICN) の活動の実状. ICR News 琉球大学附属病院院内感染対策室 1.