地域看護学教室

 

A. 研究課題の概要

 

1. 要介護高齢者の在宅ケアに関する研究 (宇座美代子)

 21世紀の超高齢社会に向け, 在宅ケアの推進や利用しやすい保健福祉サービスの充実等, 早急な高齢者対策の整備が必要とされている。沖縄県佐敷町の要介護高齢者の介護場所や介護の状況等の実態調査結果をもとに, 在宅での看護や介護サービスの提供の在り方に関する研究を継続している。

 

2. 地域保健計画策定に関する研究 (宇座美代子)

 高度多様化した地域住民の保健ニーズに対応するためには, 保健・医療・福祉等が連携し総合的継続的, 効率的な保健事業の展開を図ることが必要である。沖縄県南部の浦添市, 佐敷町及び具志頭村の老人や母子の保健福祉計画の策定作業への支援を通して, 保健事業の効果的な展開方法の検討や評価指標の作成に取り組んでいる。また, 保健事業の主な担い手である保健婦の業務量に関する研究に取り組んでいる。

 

3. 脳血管疾患の発症率と在宅看護について (小笹美子)

 ねたきり老人の主要原因の一つである脳血管疾患の地域での発症率, 生存期間, 発症後のADL等について, 島根県宍道町で調査研究を行っている。この研究によって, 虚弱老人に対する保健福祉施策の立案に必要な基礎資料を得ることが出来, 地域看護を行っている保健婦(士)の活動に役立てることが出来る。

 

4. 胸部X線心臓血管陰影を用いた老化度指標に関する研究 (長濱直樹)

 高齢化の進行や介護期間の長期化等に伴い高齢者介護の対策として, 高齢者が要介護状態になっても自立した生活を送ることができるよう社会的な支援体制(介護保険制度, 訪問看護, デイサービス等)を確立しようとしている。仮に老化という視点から要介護状態を事前に予測できるならば, 保健・福祉サービスを利用しないと自立した生活が送れない状態になる前に将来の支援対象者が把握でき, 早期に残存機能の訓練や必要なサービスの紹介, 必要なマンパワーの予測等の対策がとれると考える。沖縄県大宜味村の住民健診で撮影された胸部X線写真から心臓血管陰影を計測し, 大動脈陰影幅胸郭比(Aortothoracic ratio:ATR)を算出した。老化度指標としてのATRの有用性と生命予後との関連を分析する。この研究により地域の保健婦(士)活動でのケアニーズの把握ができる。 

 

 

B. 研究業績

 

1. 原著

G97001:Uza M, Tome K, Imai M, Danboku K, Suzuki M (1997) A study of case finding of the latent bedridden elderly using criteria of activity of daily Living. Jpn J Health Human Eco 63 79-89.

 

4. 報告

H97001: 井上弘子, 宇座美代子, 長濱直樹, 小笹美子, 宮田乃有, 浦崎千佐江 (1997) 保健福祉サービス利用者のケアニーズ(1). 第56回日本公衆衛生学会総会抄録集 44 1052.

 

H97002: 宇座美代子, 長濱直樹, 小笹美子, 井上弘子, 宮田乃有, 浦崎千佐江 (1997) 保健福祉サービス利用者のケアニーズ(2). 第56回日本公衆衛生学会総会抄録集 44 1053.

 

H97003: 小笹美子, 宇座美代子, 浜村愛子, 佐藤玲子, 北条芳子 (1997) S町における脳血管疾患の発症状況. 第56回日本公衆衛生学会総会抄録集 44 633.

 

H97004: 長濱直樹, 宇座美代子, 平良一彦, 上野満雄, 松崎俊久 (1997) 胸部X線写真を用いた老化指標に関する研究. 第56回日本公衆衛生学会総会抄録集 44 669.

 

H97005: 長濱直樹 (1997) 胸部X線写真を用いた老化指標に関する検討. 日本健康医学会雑誌 6 50-51.

 

5. その他

M97001: 井上弘子, 宮田乃有, 宇座美代子, 長濱直樹 (1997) 在宅高齢者のケアニーズの特定とケアプランの策定. 平成8年度保健学科卒業研究論文集 24 81-84.

 

M97002: 宮田乃有, 井上弘子, 宇座美代子, 長濱直樹 (1997) 在宅高齢者へのケアニーズの提供と満足度について. 平成8年度保健学科卒業研究論文集 24 85-88.