臨床生理学教室


A.研究課題の概要

 1. 成人T細胞白血病 (ATL) の病態解析と治療法の開発
 1) ATL患者の病態の多様性について検討を進めると共に, その背景にある成人T細胞白血病細胞の免疫学的多様性についても解析をすすめている。
 2) ATL/LおよびHTLV-Iキャリア末梢血あるいはリンパ節組織から14株の継代培養細胞を樹立することができた。
 3) ATLの治療法については, VP-16, Cyclophosphamide, Prednisoloneの2-3剤を経口投与し良好な結果が得られつつあり,早期診断, 早期治療の有効性と本治療法の適応基準を作るための, 症例の蓄積を進めている。(本研究の一部は厚生省「がんの集学的治療に関する研究班」(班長; 下山正徳)の援助を受けた。)
 2. HTLV-I感染の疫学調査とHTLV-Iキャリアの長期追跡
 沖縄県内離島のHTLV-I感染の疫学調査をすすめ,沖縄におけるHTLV-I伝播状況及び白血化への背景因子について調査を進めた. さらにHTLV-I感染とHIV, HBV, 梅毒(TP)など性感染症 (STD) との相関関係について検討した。
 3. HIV感染症の疫学調査と抗HIV剤探索のための実験系の確立
 STDとの関連でHIV-1, HIV-2, HTLV-I, 梅毒(TP), HBV感染の疫学調査をすすめた。 一方, HIV-1, HIV-2について抗HIV活性の測定系を確立し, 抗HIV剤のスクリーニングを開始した.(本研究の一部は厚生省厚生科学研究費「HIV感染者発症予防・治療に関する研究」(班長; 山田兼雄)の援助を受けた。)
 4. 血液幹細胞の分化と成熟に関する研究
 多能性幹細胞のin vitro での増殖を目的として種々のサイトカインを用いて, 解析実験を行っている。
 5. AIDSカウンセリング, 癌の告知, ホスピスケアおよびターミナルケアに係わる医師・看護婦養成に関する研究
 医師, 看護婦を含めたHIVカウンセラー養成のための研修を実施している。 (本研究の一部はエイズ予防財団受託研究「HIV感染者等保健福祉相談推進研究」の援助を受けた。)

B.研究業績

 1. 原著
G9501: 荒木弘一, 水嶋琢二, 木ノ上高章, 新垣均, 平良直也, 戸田隆義 (1995) Kaposi肉腫を合併したATLの1症例. 日常診療と血液 15, 84-87.
 4. 報告
H9501: Tobinai K, Shimoyama M, Tajima K, Kozuru M, Tomonaga M, Araki K, Takatsuki K (JCOG-Lymphoma Study Group) (1995) Deoxycoformycin (DCF)-Containing Combination Chemotherapy For Adult T-cell Leukemia- Lymphoma (ATL): Japan Clinical Oncology Group (JCOG) Study #9109. The 31st Annual Meeting of ASCO, Los Angels, USA. Proc American Soc Clin Oncology 11.
H9502: 荒木弘一, 原田圭之助, 仲本和美, 島袋恵, 照屋洋子, 梁綱, 他 (1995) ATL,HTLV-Iキャリアにおける血清中 sIL-2Rの意義に関する In vitro 解析. 第57回日本血液学会総会, 名古屋市. Int J Hemat 61 Suppl 1 202.
H9503: 塚崎邦弘, 飛内賢正, 田島絹子, 小鶴三男, 笠井正晴, 荒木弘一, 下山正徳, 他JCOGリンパ腫瘍研究グループ (1995) 成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)に対するdeoxycoformycin (DCF)を含む併用化学療法(LSG11プロトコール)の治療成績. 第57回日本血液学会総会, 名古屋市. Int J Hemat 61 Suppl 1 202.
H9504: 竹中武昭, 白川茂, 三国主税, 斉敏明, 嶋本義範, 荒木弘一, 下山正徳, 他JCOGリンパ腫研究グループ (1995) 第57回日本血液学会総会, 名古屋市, Int J Hemat 61. Suppl 1 268.
H9505: Araki K (1995) Seroepidemiology of HTLV-I in Okinawa and Immune Responses of HTLV-I Carriers. The 10th Workshop of France-Japan Co-operative Cancer Research Program, Naha, Japan. Viral Oncogenesis and Molecular Basis of Cancer Progression 14.
H9506: Araki K (1995) Immune Responses in ATL Patients and HTLV-I Carriers. Seminar on Blood Transmitted Diseases, Kumamoto City, Japan. Special Reference to AIDS, ATL, and Hpatitis 145-147.
H9507: Araki K, Harada K, Nakamoto K, Shimabukuro M, Teruya Y, Liang G,Taira N, Shinjo T. (1995) In Vitro Analysis On Significance of Serum Soluble IL-2R In Patients With ATL And HTLV-I Carriers. VIIIth Congress Asian Pacific Division International Society of Hematology, Brisbane, Australia, Abstract Book 161.
 5. その他
M9501: 原田圭之助 (1995) 血清中 sIL-2RによるATLの病態解析およびsIL-2Rの免疫応答におよぼす影響. 平成6年度保健学研究科修士論文 1-21.
M9502: Araki K. (1995) Acute Leukemia - Current Topics (Invitation Lecture, Dalian Medical College, China, Sep.13)
M9503: 原田圭之助, 荒木弘一, 仲本和美, 島袋 恵, 照屋洋子, 梁綱 (1995) 血清中sIL-2Rの免疫応答に及ぼす影響. 第9回沖縄ATL/HAM研究会.