眼科学講座


A.研究課題の概要

 1. 培養ニワトリ胚網膜色素上皮細胞のプロスタグランジンD2合成と代謝 (城間正, 山川良治)
 培養ニワトリ胚網膜色素上皮細胞におけるプロスタグランジンD2の合成と代謝を検討した。 産生については培養細胞をアラキドン酸でラベルし, 培養液中のプロスタグランジンを薄層クロマトグラフィーとラジオイムノアッセイで測定して検討した。 代謝については15位プロスタグランジン脱水素酵素活性を測定して検討した。 薄層クロマトグラフィーとラジオイムノアッセイで培養液にプロスタグランジンD2が最も多く存在することが示された。 また脱水素酵素活性の存在も示され, 培養ニワトリ胚網膜色素上皮細胞はプロスタグランジンD2を合成し代謝していることが明らかにされた。
 2. ローダミン123を用いた培養網膜芽細胞腫のレーザー光化学療法 (酒井寛, 長瀧重智)
 人網膜芽細胞腫培養細胞株(Y79)へのアルゴンレーザー照射にローダミン123が及ぼす影響を検討した。 Y75を種々の濃度のローダミン123を添加した培養液で2時間培養してから, 514nnのアルゴンレーザーを最大240秒間照射した。 低濃度のローダミン123を添加するとY79の増殖がレーザー出力依存性に抑制され, ローダミン123が網膜芽細胞腫に対する光化学療法の有効な光感受性増感剤として作用することが示された。
 3. 虚血負荷した培養ラット網膜神経節細胞にたいする一酸化窒素合成酵素阻害剤の影響
  (小関義之)
 ラット培養網膜神経節細胞に虚血負荷, 興奮性アミノ酸負荷, グルタミン酸負荷を加え, その生存率に一酸化窒素合成酵素阻害剤が及ぼす影響を検討した。 虚血負荷による培養神経節細胞の生存率は一酸化窒素合成酵素阻害剤の濃度依存性に改善し, 興奮性アミノ酸負荷およびグルタミン酸負荷でも同様の結果であった。 以上より, 虚血による培養網膜神経節細胞の障害に一酸化窒素が関与していることが考えられた。
B.研究業績
 1. 原著
G9501: 上原健, 宮平誠司, 佐藤健雄, 早川和久, 山川良治, 長瀧重智 (1995) 水晶体脱臼を伴う網膜剥離の手術方法. 眼科手術 8 121-124.
G9502: 照屋武, 城間正, 宮平誠司, 早川和久, 山川良治, 長瀧重智 (1995) 抗凝固療法が奏効した乳頭血管炎の2症例. 眼臨医報 89 27-30.
G9503: 国吉直美, 相良洋, 長瀧重智, 廣澤一成 (1995) サル眼毛様体筋毛細血管のhorseradish peroxidase 透過性. 日眼会誌 99 526-531.
G9504: 堀田喜裕, 他25名 (1995) ミトコンドリア遺伝子の11778番塩基対変異をもつ日本人の検討. 日眼会誌 99 715-720.
G9505: 堀田喜裕, 他25名 (1995) ミトコンドリア遺伝子の11778番塩基対変異をもつ日本人のレーベル病の臨床像. 日眼会誌 99 721-727.
G9506: Hotta Y et al. (1995) Clinical features of Japanese Leber's hereditary optic neuropathy with 11778 mutation of mitochondrial DNA. Jpn J Ophthalmol 39 96-108.
G9507: 荻堂哲司, 上原健, 鯉淵浩, 早川和久, 山川良治, 長瀧重智 (1995) 網膜剥離を合併した硝子体内水晶体脱臼に対する手術での液体パーフルオロデカリン併用. 臨眼 49 1429-1433.
G9508: 宮平誠司, 湯佐祚子, 早川和久, 山川良治, 長瀧重智 (1995) 網膜動脈閉塞症の高気圧酸素治療. 眼臨医報 89 1515-1518. 
 3. 著書
T9501: 長瀧重智 (1995) フルオロフォトメトリー. 丸尾敏夫, 松井瑞夫, 小口芳久, 小崎克, 編「眼科検査法ハンドブック」, 医学書院, 東京, 287-289.
T9502: 山川良治 (1995) 網膜色素上皮の機能. 本田孔士, 編「眼科診療プラクティス17眼科診療に必要な生理学」, 分光堂, 東京, 73-79.
T9503: 長瀧重智 (1995) フルオロフォトメータ. 可児一孝, 編「眼科診療プラクティス18眼科診断機器とデータの読み方」, 分光堂, 東京, 164-168.
 4. 報告
H9501: 山川良治 (1995) 黄斑疾患への外科的アプローチ 黄斑上膜の処理. 眼科手術 8 臨時増刊号104.
H9502: 高橋悦子, 山川良治, 早川和久, 長瀧重智 (1995) トラベクロトミー,トラベクレクトミーの術後6カ月における眼圧,視力,合併症. 眼科手術 8 臨時増刊号 213.
H9503: 北野滋彦, 掘貞夫, 小関義之, Joseph Caprioli (1995) 培養網膜神経節細胞の低酸素負荷および興奮性アミノ酸毒性に対するグリア細胞の関与について.日眼会誌 99臨時増刊号 170.
H9504: 城間正, 山川良治, 山城あけみ, 長瀧重智 (1995) 鶏胚網膜色素上皮細胞におけるEGFによるプロスタグランジンD2の産生誘導. 日眼会誌 99 臨時増刊号 218.
H9505: Kuniyoshi N, Sagara H, Hirosawa K, Nagataki S (1995) Transport of horseradish peroxidase in the vessels of the ciliary muscle. Invest Ophthalmol Vis Sci 36 S65.
H9506: Shiroma T, Yamakawa R, Yamashiro A, Nagataki S (1995) Epidermal growth factor induces prostaglandin D2 synthesis of cultured chick retinal pigment epithelial cells. Invest Ophthalmol Vis Sci 36 S99.
H9507: Sakai H, Kajiya S, Yamakawa R, Nagataki S (1995) Transport of rhodamin 123 across the blood-retinal barrier. Invest Ophthalmol Vis Sci 36 S588.
H9508: Koibuchi H, Yamakawa R, Nagataki S (1995) Effect of nipradilol, a nonselective and alpha-1 adrenergic antagonist, on aqueous flow in normal human subjects. Invest Ophthalmol Vis Sci 36 S723.
H9509: Koseki Y, Kitano S, Podos SM, Caprioli J (1995) Nitric oxide inhibitor protects against excitotoxicity in cultured retinal ganglion cells. Invest Ophthalmol Vis Sci 36 S936.
H9510: 島袋浩子, 知念靖, 山川良治, 長瀧重智 (1995) 琉球大学における硝子体手術と眼内レンズ挿入同時手術. 第65回九州眼科学会プログラム講演抄録集 34.
H9511: 仲村佳巳, 長嶺優子, 荻堂哲司, 山川良治, 長瀧重智 (1995) 最近経験した中毒性視神経症の1例. 第65回九州眼科学会プログラム講演抄録集 44.
H9512: 加治屋志郎, 山川良治, 長瀧重智 (1995) 琉球大学における白内障超音波乳化吸引術の術中術後合併症. 第65回九州眼科学会プログラム講演抄録集 47.
H9513: 山川良治, 長嶺優子, 鯉淵浩, 長瀧重智, 仲村佳巳, 仲里博彦 (1995) 沖縄県での翼状片の発症頻度. 第65回九州眼科学会プログラム講演抄録集 52.
H9514: 荻堂哲司, 島袋浩子, 山川良治, 長瀧重智 (1995) 琉球大学における原田病の臨床像の検討. 第65回九州眼科学会プログラム講演抄録集 53.
H9515: 下地美也子, 山川良治, 長瀧重智 (1995) 琉球大学眼科でのベーチェット病の病像. 第65回九州眼科学会プログラム講演抄録集 55.
H9516: 桐山通隆, 佐藤健雄, 山川良治, 長瀧重智 (1995) 大動脈炎症候群に発症した原田病の一例. 第65回九州眼科学会プログラム講演抄録集 61.
H9517: 高橋悦子, 山川良治, 長瀧重智 (1995) トラベクロトミー単独と白内障同時手術の比較. 第65回九州眼科学会プログラム講演抄録集 78.
H9518: 酒井寛, 加治屋志郎, 山川良治, 長瀧重智 (1995) フルオレセインの硝子体からの輸送にカルシウム拮抗薬の及ぼす影響. 緑内障 5 臨時増刊号 148.
H9519: 仲村佳巳, 友寄一, 長嶺優子, 荻堂哲司, 山川良治, 長瀧重智 (1995) シンナー中毒視神経症の7例. 第49回日本臨床眼科学会プログラム講演抄録集 266.